クロネコ
納税する金額は利益額によって変わってきますが、今回は海外FXで税金が発生するタイミングや支払い時期について詳しく説明していきましょう。
先生
海外FXを始める際に必要となってくるのが「税金」に関する知識です。
FX取引は投資の一種なので、利益が出た場合には当然その分のお金を確定申告書類に記載して納税しなければなりません。
しかし、FXや確定申告を初めてするという方だと税金が発生するタイミングや支払い時期が分からないと思います。
そこで、この記事では海外FXで課税されるタイミングやいつ税金を支払うことになるのか?といった部分を詳しくまとめました。
海外FXに興味がある方はぜひこちらの内容を最後までご覧になっていってください。
Contents
海外FXを始めるなら知っておこう!税金が発生するタイミングや支払い時期
海外FXを始める際には以下3つのポイントをしっかりと理解しておいてください。
●海外FXの利益が課税対象となるタイミングは?
●いつ、どれくらいの税金を納めれば良いのか?
このポイントを知らずに稼いだお金を使ってしまうと、利益が出た翌年に税金の支払いに追われることになってしまいます。
ということで、それではまず「どれくらいの利益が出たら税金を支払うことになるのか?」を見ていきましょう。
海外FXで税金が掛かる利益額は?【経費に関する情報も】
海外FXで一定以上の利益を得ると確定申告と納税の義務が生じます。
その基準となる金額を以下にまとめましたのでチェックしてみてください。
・自営業者やフリーランスなど非給与所得者の場合:年間48万円以上の純利益(所得として扱われる金額)
税金が掛かってくる目安の利益額は、サラリーマンなどの給与所得者と自営業者などの非給与所得者によって変わってきます。
これは海外FXの利益が雑所得として扱われること、そしてそれぞれの立場で使える基礎控除額が異なることが関係します。
簡単に言えばサラリーマンの方は別の控除がおこなわれているため基礎控除額が低く、自営業者の場合は給与所得による控除がないため基礎控除額が高く設定されているということです。
ちなみに年間というのはFXを始めた日ではなく、毎年1月1日~12月31日の間を指しますので覚えておいてください。
なお、税金が掛かるのは海外FXで得た利益から経費を差し引いた「所得」に対してです。
つまり海外FXで100万円の利益をあげたとしても経費が50万円掛かっていた場合には「所得額50万円」となり、この50万円に対して税金が掛かってくるわけです。
経費に計上できるものは色々とありますが、代表的なものをピックアップしてみましたので参考にしてください。
●FX取引をするために使った通信費(Wi-Fiなどの通信料金など)
●FX取引をするために購入した通信機器(パソコンやスマホなどの代金の一部もしくは全額)
●FXの勉強のために購入した書籍など
●FXトレードのために使った自動売買ツールの代金やセミナー代
●セミナーに行くための交通費
●自宅を事業所として扱う場合はその家賃の一部が経費になる可能性もある
(本業の収入とFX利益の割合によって算出)
ご覧のように「FX取引のために支払った各種費用や代金」は経費として計上できます。
たとえばFXトレード専用として5万円のスマホを新しく購入した場合には、その代金が経費として計上できるわけです。
ただし、FX取引以外の目的でも使用する場合には一部のみが経費となります。
また、最近のFX取引は基本的にインターネットを通じておこないますので通信料金も経費として認められます。
仮に毎月5,000円の通信料金を払っていたとすれば年間の費用は6万円です。
この6万円は経費となりますのでしっかりと経費計上しましょう。
あとは取引手数料も年間で計算するとかなりの額になりますので、忘れずに計上してください。
※スプレッド分のお金は経費にならないが、海外FXで設定されている取引手数料は経費になる
前述の通り、年間の利益から経費を差し引いた金額が「所得」となります。
確定申告をして納税するのは「所得税」なので、所得額が下がれば納める税金の額も低くなるということです。
(なお、所得の額が大きくなると住民税額も上がる)
海外FXの利益が課税されるタイミングとは?【注文を決済したとき】
海外FXの利益に対して税金が掛かるタイミングは「利益を確定させたとき」です。
つまり注文を決済したときが課税のタイミングとなります。
●仮に100万円の含み益があるポジションを12月30日に決済した場合は当年の所得となる
●仮に100万円の含み益があるポジションを年を跨いだ1月3日に決済した場合は翌年の所得となる
ネット上を見ていると「銀行にお金を引き出したとき」が海外FXの課税タイミングと勘違いしている方がいます。
銀行にお金を引き出したかどうかは関係がなく、FXの口座残高に利益が加算されたときにはすでに課税の対象となっていることを理解しておきましょう。
なお、海外FXの取引に利用しているプラットフォームには年間の取引履歴がデータとして残っていますので、もちろん誤魔化すことは出来ません。
ちなみに年末ギリギリのタイミングで大きな利益が出そうな場合、年内に決済すると次の3月には確定申告の必要性が出てきます。
しかし、何とか決済の時期を翌年に回せれば、ポジションを保有した翌々年の3月に納税の時期をズラせるのです。
税金を支払うタイミングを翌年にするか翌々年にするかはその人の経済状況や当年の所得額(利益と経費のバランス)によって変わってきます。
当年は利益が出過ぎているので翌年の所得とした上で、次の1年で経費とのバランスを考えるというのは節税方法のひとつです。
海外FXで稼ぎたい方は、このあたりの節税テクニックも覚えておいてください。
ということで、次に税金を支払うタイミングや金額について見ていきましょう。
実際に税金を納めるタイミングはいつ?【税額についても解説】
海外FXで得た利益により算出された所得税を納めるタイミングは「毎年3月15日まで」です。
給与所得者の場合は会社側が毎月源泉徴収をおこない代わりに所得税を支払ってくれていますが、海外FXによる雑所得は自分で納税をしなければなりません。
その期限となるのが確定申告の提出が認められる「2月16日から3月15日まで」となりますので、一定以上の利益が出たときにはしっかりと税金を納めましょう。
ちなみに海外FXによる利益を所得として申告した場合には「住民税」の金額も変わってきます。
所得額(利益-経費) | 累進課税率 | 税率の内訳 | 所得税の控除額 |
195万以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% | 0円 |
195万超~330万以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% | 97,500円 |
330万超~695万以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% | 427,500円 |
695万超~900万以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% | 636,000円 |
900万超~1,800万以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% | 1,536,000円 |
1,800万超~4,000万以下 | 50% | 所得税40%+住民税10% | 2,796,000円 |
4,000万超 | 55% | 所得税45%+住民税10% | 4,796,000円 |
こちらは海外FXの所得に掛かってくる累進課税率の一覧表です。
ご覧のように海外FXで得た所得に対しては所得税と住民税がセットで関わってきます。
サラリーマンの場合は住民税の納付に関しても会社側が処理してくれますが、会社に副業(FX)をしていることがバレたくない方は自分で住民税を納めましょう。
なお、住民税の支払い期限は6月末・8月末・10月末・1月末の4回です。
確定した住民税が送られてくるタイミングは6月の中旬ごろとなりますので、納税額が高額な方は最初の支払い時期に注意しておきましょう。
(3月に所得税を支払って安心しお金を無駄に使ってしまうと6月からの住民税納付に困る方が多い)
サラリーマンの方だと確定申告の処理を全て会社がやってくれるので知識を持ち合わせていない方がほとんどです。
仮に海外FXで数百万円というお金を副収入として得たとしても、その20%~33%くらいは税金として納めなければいけないことを理解しておいてください。
クロネコ
こればかりは仕方ないことなので、FXで収入を得るなら税金分のお金も計算に入れておきましょう。
先生
まとめ
海外FXで税金が発生するタイミングや税金を納める時期について詳しくご紹介してきました。
・課税のタイミングを誤魔化すことは出来ない
・一定以上の利益が出たら経費を計上して申告する所得額を割り出す
・所得額が20万円以上(給与所得者)、48万円以上(非給与所得者)になったら確定申告をおこなう
・所得税の納付期限は3月15日まで
・住民税の納付期限は6月末、8月末、10月末、12月末の4回(一括納付も可能)
海外FXに挑戦するのであれば、上記の税金に関わる部分の基礎知識を身につけておきましょう。
翌年に支払う税金額を理解せずお金を使い切ってしまうと、確定申告時期に大きな負担が掛かってきます。
中には税金が支払えず借金をする方も珍しくありませんので、課税のタイミングと納税の時期はしっかりと頭に入れておいてください。